1. 超イケてるカリスマ美容師になった感覚

感性分析後、初めてのショッピング同行でTheoryのセットアップを買ったのですが、「柿山さんの場合は腕をまくった方がいい」と言われて、ジャケットってそんな風に着ていいの?と新鮮で、それをやったら背筋がピンと伸びる感覚がありました。

その翌日、知り合いから「頼み事がある」と言われて会うことになっていたので、早速そのセットアップを着て腕もまくって、表参道のカフェまで歩いていきました。

その時は、映画『プラダを着た悪魔』のワンシーンで、主人公がお洒落な服を着てコーヒーを片手に出勤するような感覚でしたね。頭の中で、あのマドンナの音楽が流れていました。

ショッピング同行で買った洋服は、全部写真を撮っておすすめの組み合わせを教えていただいたので、その日はその提案通りに着ていったんですが相当新鮮

今までセットアップなんて着たことがないし、当時持っていたスリッポンに合わせて、超イケてるカリスマ美容師になれたような感覚というか。当時は痩せていたから、だいぶスマートに見えた印象があって、今まで着たことがない装いにワクワクしていました。

よく覚えているのが、数日後に仕事で高層ビルへ行ったときに、エレベーターの鏡越しに自撮りをしたこと(笑)。同じセットアップを着て行って、ジャケットは腕にかけて。その日は白Tシャツ、薄い青色のパンツに白スリッポンで、調子に乗ってメガネをかけて爽やかな感じで。

こんな風にコーディネートをどんどん楽しんでいったのを覚えています。上下含めて11アイテムほど買ったので、組み合わせとしては結構できました。

作ってもらったコーディネートは一回試してみようと思って、全部着てみました。全て消化するのに時間がかかるから、2〜3週間はすごく楽しかった。そこから自分なりに組み合わせを変えて行って、寒い日は「セットアップの下にニットを入れてみようかな」となったり。

このtheoryのセットアップは良すぎて、パンツの下にヒートテックを履いて、冬の会津若松にも着て行きました。そのくらい気に入っていて、ある日気付いたら肘とか膝とかが、つんつるてん。お尻の方も光沢感があって、「すげー座ってるじゃん」って(笑)。相当着て、元を取りましたね。


2. 服が自分の武器になり、仕事が舞い込んできた

サービスを受けた当時、会社を再建させないといけない状況で、お金がとにかく必要でした。今以上に商談が多かったんです。

今は広いオフィスで、自分の服装もそうだしMONOCOの門構えもいいから、満を持して社員に「行ってこい」と言えるけれど、当時は自分の中で欠けているピースがいっぱいあるから、一緒に仕事させてもらうのに少しハッタリをかましつつ、心の中では「あ、すみません。大きいこと言っちゃって」と思っていて。自分をよく見せようとするうえで、服は自分の武器になっていたと思います。

会社再建中は会社から給料をあまり出せなかったので、「生活するために何かしらお仕事をいただけたらいいな」と思っていて、ワークシートに「プロフェッショナルに見えたい」ということと一緒に、それを書いたんです。

そして、そのワークシートを元に提案してもらったセットアップを着ていったら、その日にすぐアドバイザーの仕事をいただいて。先方はもともと僕にお願いするつもりで会っているんですが、因果関係として面白いですよね。

だから前述のtheoryのセットアップを好きになったのもあるかもしれません。願掛け的な、これを着ていくと良く見られるラッキーアウトフィットというか。その後、そのアドバイザーの報酬も上げることができました。


2. ベースがわかったから、次のステップに羽ばたいていけた

当時、腕をまくったジャケット姿の自分がかっこいいと思っていて、飲み会とかで普通はジャケットを脱ぐけれど僕はわざと着ていました。3ヶ月くらい経ってから、新しい自分を手に入れ始めた実感がありましたね。

今はそこから守破離したけれど、制服のようにベースとなる服を着られたからこそ、次はどんな風に羽ばたいていったらいいか道筋が見えました。何の服を着たらいいか?という判断を自分で持ち始めたのかもしれないですね。映利奈さんから常にアドバイスをもらっていましたが、自分でも着回しがしやすくなったんだと思います。

そこからは結構自分の判断で「良いか悪いか」を考えるようになって、ちょうどその頃に海外ファッションサイトに出会い、気付いたらポンポン買っていました。


4. アパレル業界の人からも一目置かれるように

ショッピングアドバイスで提案されて購入した半袖のニットは、知り合いの大御所スタイリストさんから某高級ブランドのものと間違えられるとともに、セレクトを褒められました。

最近は、映利奈さんに相談してOKが出た『フィリップリム』の白い絵の具が飛び散ったようなペインターデニムジャケットを買いました。それを着て仕事で携わっているアパレル会社へ行ったら、社長にずっとじろじろ見られて「カッキー、これかっこいいじゃん」と一言。“素敵なものを選んでるやつだな”と見られ始めている気がします。

その会社ではメンズのファッションブランドを作って準備しているんですが、そこの開発メンバーがおしゃれで、服がすごく好きで。そのなかに50代のメンズファッションの長で、超おしゃれで洗練された大人の男性がいるんです。その人から「柿山さん、相当服にお金使ってるでしょ」って言われて。

服に年間200万くらい使ってるみたいな、そういう印象を持たれているんです。そんなに使ってないし、実際よりも100万くらい多いけれど、そういった印象を持たれているのは面白いなって。常に僕が持ってるものを、じろじろ見られるんです。

男性同士だと褒め合わないから「素敵だね」とはあまり言われないけれど、周りが持つ印象が結構変わってきたという変化を感じています。